一年間の禁酒成功を祝してお酒解禁した人の末路とは?
禁酒が辛い……
禁酒が辛い……という魔の地帯を無事に乗り切り、長きに渡る禁酒生活に慣れてくると、ふと不思議に感じてくるのが毎日お酒を飲んでいた日々のこと。
あの頃は、毎日お酒を飲んでいたんだよなあ。浴びるように飲んだよなあ。二度とごめんだけど、二日酔いとか懐かしい……などなど。
お酒のあった日々はどこか遠い記憶のようで、禁酒が続くほどお酒のことを考えなくもなったり。
お酒と共に歩んだ記憶って、お酒と離れると次第に薄れていくんですよね。それはもう初恋の思い出が消えていくかの如しで。
しかしです。
鋼の心で禁酒に身を投じている人でも、きっと一度は思ったことがあるでしょう。
「いまビール飲むとどうなるんだ?」と。
「禁酒を辞めると、どうなるのか?」と。
そう、お酒飲まない宣言の撤回です。
かくいう私は、毎日浴びるようにビールを飲み、個人的事情のもとにビールにサラバを告げた身です。そんな私がノンアルビールを愛飲して過ごすこと早一年……。
そろそろか……。
ムンと胸を張って立ち上がった私は、缶ビールを取り出しブシュッとタブを押し開け、腰に手をあて斜め45度を見上げたわけです。そう、禁酒一年を祝してね。
というわけで、禁酒を解禁するどうなったのか?
その末路についてご紹介したいと思います。
1.めっちゃ酔う
禁酒生活も一年を経過してくると、もはや忘れているのがお酒の味であり、大好きなビールの味であり、アルコールの破壊力です。
ビールジョッキ一杯なんて準備体操みたいなもんだよね!
なんて調子いいことを赤くした顔でほざいていたのが私なのですが、あろうことか禁酒あけは一杯どころか一口でほろ酔い。
おおッ、アルコールが体内に侵入してきてる!ヤバい!ヤバい!めっちゃ酔う!水!みずッ!みずーッ!
という体たらく。
ビール1缶で圧倒的な満足感に酔いしれる始末でした。
2. お酒が美味しい秘密、アルコールの持つ束縛力を思い知る。
毎日お酒を呑んでいると、呑むことがあたり前になり、習慣になり、やがて何も考えなくなる。
ということに心当たりがある人もきっと多いはず。
かくいう私は久しぶりのお酒でこれを実感。
お酒の力というか魅力というか、いやもうアルコールの持っている依存力と言ってもいいのかもしれない。
ヤツらの魔力は本物です。一度その味を知ったら逃げることは至難です。
やっぱね、美味しいんですよねお酒って。
もうね、アルコールがあるから美味しんですよ。
個人的には金麦とノンアルコールビール「アサヒドライゼロ」を飲み比べると非常に迷うくらいですからね。どっちが金麦なんだろうって。
両者の間に感じるその差たるや、アルコールが含まれているかどうかです。まあ、ちょっと言い過ぎではありますが……。
アルコールによる強制的に身体の力が抜けるあの感覚。体温はポカポカしてきて、気分はまさにリラックスの渦中にあり。自分の内側からペラペラと言葉が出てくるのだって気持ちイイ。
最初はね、一杯で満足するんです。というか禁酒明けは一杯でダウンしていたのが私です。
ただ、このアルコール入りリラックスタイムの味を知ってしまったが最後。
翌日も無償にアルコールが欲しくなります。
夕方頃になると「ビール呑んじゃおっかなぁ」とか呟きだす始末です。
禁酒生活中は「もうビールの味すら忘れたね。飲みたいとすら思わない」とかほざいてたのに……。
飲まないとスッキリしないというか、喉につっかえがある気がして気持ち悪い感じがするんですよね。
で、一杯呑んでみれば満足するわけです。
しかし、禁酒生活を送った反動なのか、ふと冷静になった頃にこんな気持ちが湧いてきます。
「別にお酒呑まなくてもよかったな。どうして呑んじまったんだろ……。なにをやっているんだか……」
という謎の賢者タイム、襲来。
まさかお酒で賢者になる日が来ようとはね。
たった一杯で虜にしてくるとは、お酒の持つ力は恐ろしいのだなと改めて実感です。ほんとに酒は呑んでも飲まれるなって、その言葉通りです。
3. 爆速で太る
ノンアル禁酒生活を経て、ズボンの上に乗っかっていたビール腹がなくなり、筋トレを経てバキバキに割れた腹筋なのですが、
お酒を解禁するや、いっきにお腹がぽっこり。
ビールって、まあまあなカロリーがあることはラベルを見れば一目瞭然なのですが、やっぱり書いてある通りカロリーは半端ないみたいです。
腹は爆速でぽっこりです。
なんせ、お酒解禁だけで済まないのが人間ですから。
合わせておつまみだって解禁されるのが定石みたいなもの。
ムシャムシャ食べて、グビグビ呑めばメタボ街道の中心でアクセル全開にしたようなもの。そりゃあ太ります。
ムキムキにした肉体は数週間でたるみ、代わりに現れた贅肉という悪魔が
「よッ!久しぶりぃ。またよろしくな」
と馴れ馴れしく図々しくも我がズボンの上にポヨンと乗っかりやがります。
割れた腹筋たちは、もう脂肪に包まれ見る影もなく……。
4.強い意志があればノンアル生活に戻れる
禁酒からお酒解禁で、あっという間に私の心を虜にしてやまないお酒なのですが、とはいえ「お酒漬けの毎日になったのか?」と聞かれたら、そういうわけではありません。
私の場合はお酒を飲む日もあれば、飲まない日もあり。ちょうど半々くらいでコントロールしています。
というのも、お酒を飲むと睡眠の質が下がるせいか、翌朝の体調に支障をきたすことが多いからです。
私は朝型タイプなこともあってか、重要な仕事は朝から昼にかけて行うようにしているのですが、お酒の影響で寝起きが悪いとなれば、もちろん一日のペースは崩れます。
少しでもお酒が残っていようものなら、一日の仕事に壊滅的ダメージを受けることありです。
お酒のないノンアル生活を通して、私は朝の効率の良さを知ってしまいましたから。これを覚えてしまうと戻れないわけです。
なので、お酒は呑んだとしても少量。間違っても寝る直前には呑まないように心がけています。
酒に溺れていた昔はね、夜遅くまで会社の付き合いを率先して飲み歩き、翌朝はぼんやりを引きずって仕事なんて日々もありましたけどね。酒をたくさん飲める人ほどカッコイイと錯覚していた日々も久しからずやです。
5.どうしても呑みたくなる時ってないの?
ありますね。そりゃあ、ありますよ。
お酒は魔物の如き魅力をもっていますから。
ただ、そんな日はまずはノンアルビールを1缶あけてみることにしています。
私の場合だと、ノンアルを飲めば思っている以上に満足することがほとんど。
もうお酒は呑まなくてもいいっかな、と気持ちが切り替わります。
それにノンアル飲むと身体が冷えますからね、もう冷たい飲み物はいいやってところもあります。
そうは言っても、あんたみたいに簡単には切り替わらないよ、という人もいるかと思います。
そんな人は、おそらくきっとお気に入りのノンアルを見つけられていないのかなと思ってみたり。
ビールにしたって日本酒やワインにしたって、最初はそうじゃありませんでした?
はじめて飲むビールって苦くてマズイだけ。そう感じたあの頃が懐かしい人もきっと多いはず。
「美味しい!」そう感じる一杯に出会うことで開けてくるのがお酒道です。
ノンアルもまた同じなんです。
好きな一杯に出会うことで、ノンアルに対する意識が変わってきます。
「これならアリ!」そんなノンアルビールを自分の中に一本おさえているだけでいいんです。
日々にノンアルを取り入れることで、休肝日も作れるわけで、たまに飲むお酒は格別に美味しくも感じます。
とはいえ、ワイン、日本酒、焼酎など、ノンアルが充実していないアルコール飲料が無類に好きとなると、ちょっと困りものではありますが……。
ビールやチューハイ以外のノンアルは、正直なところ似てる似ていないレベルの話でないことも多いです。誤魔化しが効きづらくはあります。
さいごに
禁酒生活をやめノンアルにしてみた結果、思い知ったのはお酒が持つ依存力はスゴイ!
私としては、もうこれに尽きます。
アルコール依存症になる人もそりゃあいるわけで、飲み過ぎになるのも納得だと身をもって実感した次第です。
どうもね、アルコールが欲しくなるんですよ。不思議なことに。
そんな私は、きっとアルコール依存症に陥りやすい部分を抱えているのだろうなと、むしろ少し依存しているなと、というか過去の自分は完全に依存しておったなと、俯瞰で自分をみる結果ともなりました。
くれぐれも飲み過ぎにはご注意を。
ではまた。