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決め台詞「とりあえずビール」は黒歴史?いつから常識になったのか

雑学
更新日:2021/07/02

居酒屋に入って、まず開口一番に繰り出すセリフ。

決め台詞「とりあえずビール」は黒歴史?いつから常識になったのか

それが「とりあえず生」あるいは「とりあえずビール」であろう。

店員さんからメニューを渡されると同時、あるいはメニューを受け取ったその刹那、「メニューみました?」と聞きたくなる速さで繰り出される「とりあえずビール」ひと声。

熟練の手練れともなれば、のれんをくぐると同時に「とりあえずビール」と放たれる始末。もはや猛者である。

そんな決め台詞ならぬ合言葉、とりあえずビール。

ビール好きなら「あたりまえっしょ!」なセリフなのだけれど、ビールを飲めない人にとっては地獄のセリフだったりもします。

それこそ大人数の飲み会になってくると、応用技まで登場する始末で。「ビールじゃないと人いる〜?」という脅し文句ならぬ「ビール頼まない奴なんていないよな? な?」という暗黙の了解が裁決されるのです。

恐る恐る手を挙げて、「あの〜。か、カシスオレンジで……」と言おうものなら、女子はともかく、男子ならば一瞬、時を止めることになります。

たしかに、時代は変わったんですけどね。

お酒の席は無礼講。その言葉通り、好きなものを飲みましょうよ。ビールの強要だって、もうアルコールハラスメントではなかろうか。と思うことだってあります。

とはいえ、そんなごもっともな意見は「いやね、わかる。わかるよ〜。十分にわかる」とは言われつつ、受け入れてもらえないのが諸行無常。

満員電車にゆられ、よれよれのスーツを着込み、頭の毛が薄くなりながら、長年サラリーマン生活を戦い抜いた歴戦の猛者たちにとって、「とりあえずビール」の合言葉で「おれも!」「わたしも!」「オイラも!」と続いてビールで乾杯する。いわば至福の瞬間。これがが楽しみなんです。

「とりあえずビール」でGoogle検索すると、誰が何の為に作ったのか「とりあえずビール」のウィキペディアが出てくるぐらいです。みんな大好きなんです。

「とりあえずビール」は一日が終わったあと、プロジェクトが終わった後の勝利のファンファーレなんです。

しかし、ビールを飲めない者にとっては、地獄のファンファーレなわけです。「好きなお酒をみんなで楽しむ。これの何がダメなの?」と言いたくなるわけです。

この天使の囁きであり悪魔の一言「とりあえずビール」。いったい、いつ日本に登場したのか? そして、華麗にビールを避ける必殺の方法をあみだしたので、合わせて紹介したいと思います。



そもそも、ビールっていつ誕生したのか?

時は遡ること、紀元前4000年以上前。人類の歴史を辿ると、この頃にビールの存在が確認されているようです。エジプトにピラミッドが建設され、ファラオが王として君臨していたくらいの時代です。

そこから時はぐーんと流れて、江戸時代。日本にビールが渡来します。明治の頃には、日本でビールが作られるようになります。

あの『舞姫』で有名な森鴎外はドイツ留学中に「ビールを飲むとトイレに行きたくなるのはなぜだ?」とビールと利尿作用について研究を行い、時が大正になると、ビールという飲み物を愛する者たち「ビール党」という言葉が登場します。

そして、戦後。

「お酒といえば、日本酒、それも熱燗でしょ」な時代から、ビールの台頭がはじまるのです。

ビールの販売経路の拡大、そして大衆居酒屋のチェーン店化。酒の席に現れるビールジョッキたち!

夏の暑いシーズンには、ビールが堪らねぇ! 姉ちゃん、もう一杯ビール頼む!

といった調子で、気が付いた頃には、ビールは日本を制圧することに成功するのであった。

で、本題の「とりあえずビール」はいつから言われ始めたのか?

有力な説は、高度経済成長期の模様。時は、1950年頃です。

ビールはとにかく早く運ばれてきます。テーブルに座る、すぐ酒を飲みたい。酒飲みにとっては、何よりも速さが大事です。もちろん、この頃は酎ハイもないわけで、速さに関してはビール最強だったわけです。

早く出てくる、喉越しもバツグン! みんな同じ飲み物ビールを頼めば、他の人を待たせることもないし、一度に乾杯ができる!

だから、まず第一に、ほかのことはさしおいて、なにはさておき。要するに、すぐ。即刻でとりあえずビール。

こうして「とりあえずビール」は飲み会での覇権を握ったのだった。そして今に至る。

とりあえずビールが今も炸裂する理由

「とりあえずビール」を断れるのは、きっと合コンあるいは女子会だけ。男子もといおっさんが飲み会の中心になれば、「とりあえずビール」が世の常です。どうして今も炸裂するのか?

理由は簡単で、やっぱりビールを飲む人が多いから。

もし飲み会に集まったのが、コーラ好きばっかりだったら?

「とりあえずビールを頼む!」なんて誰も言わないわけです。そこは「とりあえずコークハイでしょ!」というツッコミが入り、「いや、コーラを飲もうよ。ペプシはある? あれ? コカコーラ派だっけ? うそ!? 君ってゼロが好きなんだ!」といった具合に、コーラ談義に花が咲きます。

キュートなドリンクを飲む女子会に行けば、「とりあえずビール!」など叫ぼうものなら、追放です。インスタで映えるカクテルを頼まないとです。

もう一つ加えて、ビールを頼みづらい場所に行けば「とりあえずビール」は炸裂しづらくなります。

例えば、おしゃれなバーだと?ちょっと状況は変わりそうです。

「マスター、とりあえずビール!」と陽気に言うよりも「マスター、今日は何を飲むのかって? そうだな……とりあえず、マティーニを。ステアではなく、シェイクで」とジェームズボンドばりのダンディズムで言うほうが、隣に座るレディが痺れそうです。

こんなセリフ、実際に真剣にバーで言って許されるのはローランド様くらいかとは思われるけれど……。

とはいえ、初回からビールを飲まなくてもよいシーンではあります。



とりあえずビールを華麗に逃れる方法

ビールが苦手な人にとっては地獄のセリフ「とりあえずビール」これを華麗に交わす方法は、あるのか?

「オレはカシスオレンジが飲みたい。死ぬほど飲みたい。だが、しかし皆はビールを飲むと言う……」

今の居酒屋は気が利いているから、カシスオレンジを頼んでもビールとおんなじタイミングで持ってきてはくれます。

とはいえ、ビールに混じって、一つだけカシオレ……。万が一にも登場が遅れたら、妙に目立ちます。「カシオレお待ちしましたー!」と遅れた名誉を挽回するべく、店員さんも声高々に運んできます。「店員さんお願い!ひっそり持ってきて」なんて心の悲鳴は届かぬわけです。

空気を読むか、それとも自分を貫き通すか。

飲む相手や状況によっては、自分の力量を問われる場面。

空気を読まず、自分の信念を貫き通すこと。それも大事ですが、時として「こいつは空気が読める人だ」という印象を与えておくことも大事だったりもします。

とはいえ、苦手なビールをムリして飲んでいることがバレると、それはそれで変な空気が立ち込めるわけです。酒飲みって厄介です。

ここで個人的にオススメなのが、とりあえずノンアルビールです。

全員がビールを頼むなか、一人だけノンアルコールビールを頼む。これって、別に不思議ではないんです。

「今日は飲めないのかな?」そう思われるだけです。普段はビールを飲むのだろうけれど、今日はノンアルにするのかなって。

それに、ビールに混じってノンアルビールが登場しても、見た目はほぼ同じです。見た目が一緒だと、人は意外と気にしないです。むしろ、悪いねと遠慮されることもしばしば。
あとは、みんなが一杯目を飲み終わった頃にでも、しれっとカシスオレンジを頼めばOKです。「やっぱり飲みたくなっちゃいました」と一言添えれば、完璧ではなかろうか。万事OKです。

いや待て。俺はノンアルビールも苦手だ。

という人でも、きっと大丈夫。ノンアルビールには、限りなくビールに似たものと、まだビールには遠いノンアル、さらには、独自の路線をいくノンアルビールと種類がいろいろとあります。

きっと飲めるノンアルがあるはずです。ぜひ探してみてください。

それでは、よい飲み会ライフを。

ではまた。

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