海外4カ国のノンアルビール6種飲み比べ!一番美味しいのは?
美味いノンアルビールを求める人がきっと気になっているであろう、海外のノンアルビールは美味しいのか否か?
日本のノンアルビールはレベルが高くなってきている。けれど、とはいえ添加物が気になってみたり、ものによっては水っぽさを感じたりと、物足りなさを感じている人も多いのかなと思います。
そこで、ふと気になるのが海外ノンアル。実際のところ、美味いのかどうなのか?
海外のノンアルビールは日本と製法が異なることも多く、主流はビールを作りそこからアルコール分を抜くという手法を取っています。いわゆる脱アルコールビールです。
ビール愛好家としては、「作り方はビールと同じで、アルコールを抜いただけ」そう聞いただけでも、海外ノンアルビールの出来に高まる期待感。日本のノンアルビールとそんなに違うのかと……。
ということで、ドイツ、ポルトガル、スペイン、イタリアのノンアルビールを取り寄せ、いざレビューしてみました。
ドイツ:エルディンガーフリー
きめ細かい泡立ちにクリーミーな口当たりが特徴なビール大国ドイツが世界に送るノンアルビール。グラスに注ぐと深く濃い黄金色が美しく、まさにドイツビールらしい仕上がりになっているのが「エルディンガーフリー」の大きな特徴です。
飲み心地はもはやオンアルコールビールに負けず劣らずで、麦の甘さがしっかりと出ています。ドイツビールの持ち味でもある深いコクが好きなら、この一杯は堪らないです。
ノンアルながら「これはビールでしょ!」と唸るほどに出来栄えは高く、満足度だってかなり高いです。かねてよりドイツビール好きでノンアルを探しているなら、まさにコレを抜きには語れないといったところ。
キンキンに冷やさずとも、味わい、コク、甘みが美味しく飲めるのですが、このあたりはドイツの為せるビール力を感じます。
ただ、日本のいわゆるガツンと喉越しあり系ではないので、毎日飲むとなると効きすぎた深い味わいとコクがやや重いかもしれません。
そんなドイツビールらしい美味しさを楽しめるエルディンガーフリーなのですが、一点だけ注意点があります。
それは、ラベルのアルコール表記が0.4%未満となっていること。厳密に言うとノンアルというよりは、低アルコールビールになるんです。
あくまで0%に限りなく寄せてはいますが、飲んでみると「アルコール入ってるんじゃない?」と感じてしまうこともしばしば。心なしか少し酔った気もします。
なので、酔ってはいけない人が飲むには注意が必要。オススメはできない一杯でもあります。
アルコールは0.00%でないと困るな。という方は、同じくドイツ発のノンアル「クラウスターラー」が近い味わいなので、よければクラウスターラーもチェックしてみてください。
ドイツ:ビットブルガードライブ
ドイツビールと同じ製法で作られ、アルコール分が除去された紛うことなき0.00%ノンアルビール。それが、ビットブルガードライブ。ビール大国ドイツが誇る脱アルコール製法によるノンアルビールです。
味わいは、ドイツでよく愛飲されているピルスナーを忠実に再現したノンアルといったところ。夏にごくごく飲みたい味わいと喉越しで、ドイツらしいピルスナー感がとてもよく出ています。まさに言葉そのまま、本当にアンコールだけ除去された味わい。
麦の苦味がよく出ていて、味わいは薄いのだけれど非常に飲みやすいです。いわゆる日本人が好きなピルスナーの味わいですが、苦味は少しだけキツめではあったり。もしかすると「苦いッ」と唸る人もいるかも。日本のビールと比べると確かに苦めですが、だがそこがイイのです。
ノンアルビール好き界隈でファンの多い「ヴェリタスブロイ」に味わいは似ていて、正直なところほとんど差はありません。
ただ、個人的にはビットブルガードライブの方が好み。より飲みごたえがあり、アルコール入りのビールを飲んでいる感がスゴいのです。
ポルトガル:サグレスゼロ
微かなモルトとアロマホップが特徴ある香りを生み出す!
そんなポルトガル発のノンアルビールがサグレスゼロです。普通に美味しいです。美味しいのですが、ただ注意点としてサグレスゼロはアルコール0.5%未満です。これもまた要注意ノンアルが一本。
サグレスゼロはキャラメルのような甘い香りを感じさせる一杯に仕上がっており、深いコクと麦の香りを楽しむことができます。ポルトガルのノンアルなのですが、系統としてはベルギービールよりな印象。ちょい甘めのビターです。
確かな味わいがあるのに、飲み口は意外にもあっさり系。なので、毎日飲むにも飽きはこないであろう仕上がりです。まさに飲み干す一杯という言葉がよく似合う。
ただ、どうしても低アルコールという部分が引っかかるので、ぐびぐび飲めちゃうのは低アルコールのせいかもと感じる部分はあり。
数ある海外ノンアル勢のなかでも、グビグビと止まらずに一瓶を開けちゃえるほど美味しいのですけどね。アルコール入りと遜色ないおいしさなことは確かです。
スペイン:エストレーリャガリシア
おそらく好み真っ二つであろうスペイン産のノンアルビールです。こやつは、なかなかにクセ者。飲んでまっさきに感じたのは、「これは人を選ぶノンアルだな」ということです。
「高品質ラガービールからアルコールを除去した本格派の味わい」と銘打つノンアルビールなのですが、本格的というわりには好みを分かつであろう不思議な存在。
香りと苦味に独特なクセがあり、味わいはフルーティながらも確かな苦味を持っています。海外ビールをいろいろ試したことがある人なら「海外にこんなビールあるある」と独特なクセに懐かしさを覚えるはず。
飲み心地はさっぱりしているのですが、薄いような濃いような不思議なところを攻めてきます。さっぱりと濃いがせめぎ合っているんですよね。だからといって、コクがあるわけでもないという……。
正直なところ、個人的には一回飲めばもう満足です。リピートは絶対にしない味わい。
さっぱり系でありながら喉越しを好む私としては、今回飲んでみた海外ノンアルビールのなかでも、最も微妙でした。
スペイン:モリッツアクア
ピレネー山脈から湧き出る天然水にこだわって作られた「モリッツアクア」はスペイン産ノンアルビール。
チェコ産ザーツホップを使用しているためなのか、香りはどことなくレモンティーみたいです。ピレネー山脈の湧き水を使うという、こだわった水のせいなのか、水っぽいといえば、やや水っぽいノンアルでもあります。こだわりすぎがあだとなっているのだろうか……。
水にこだわるノンアル、その味わいは薄いながらも麦の苦味がしっかり出ている感じです。さっぱり系かつ鋭い苦味を持つという、ちょっと不思議な飲み心地が特徴。
キレは確かにあるんです。ただ、コクはさほどない。
そして、さっぱりした味わいなのに、苦味がガツンと効いているので、ゴクゴク飲み干すのがちょっと辛いという……。
チビチビ味わう感じでもなく、かといって飲み干す一杯でもない。苦く飲みやすいけれど、グビグビは飲み辛い。楽しみ方がいまいち分からないノンアルでもあります。
イタリア:モレッティゼロ
喉越しがよく、キレのあるドライな味わい。いわゆる日本人も好きな海外ビールのノンアル版。個人的には「こんなノンアルを求めていた!」というのがイタリア産ノンアルのモレッティゼロです。
今回の海外ノンアルセットのなかでも、一番リピートしたいと思ったのがコレ!
グラスに注げば、一面に広がる麦畑を想わせるゴールデンカラーが美しく、非常に飲みやすく文句なしに美味い!
甘すぎず苦すぎない本格的なラガービールの味わいが楽しめ、キツすぎない炭酸は気持ちイイ喉越しを演出してくれます。
お風呂あがりだったり、仕事のあとの一杯だったり、ビール感覚でグビグビ味わうにもピッタリな仕上がりになっていて、夏の暑い日なんかにもバッチリ。一気に飲み干せます。
かなり忠実にビール感が再現されているので、アルコールなしでも十分にリラックス感を味わえることも特徴。満足感は非常に高いです。この感覚がなんとも不思議なんですよね。酔うというよりは、身体から空気が抜けて疲れが取れる感じ。
ドイツノンアルは美味しいのですが、味わいが深すぎて毎日飲むにはちょっと荷が重い部分もあるので、そんな人にこそバッチリ合う味わいかなとも思います。
まとめ
最後に今回飲み比べた海外ノンアルビールのアルコール度数をまとめておきます。
ドイツ:エルディンガーフリー(アルコール:0.4%未満)
ドイツ:ビットブルガードライブ(アルコール:0.05%)
ポルトガル:サグレスゼロ(アルコール:0.5%未満)
スペイン:エストレーリャガリシア(アルコール:0.04%)
スペイン:モリッツアクア(アルコール:0.04%未満)
イタリア:モレッティゼロ(アルコール:0.05%以下)
個人的な好みはイタリア産モレッティゼロが優勝で、スペイン産のエストレーリャガリシアが最下位という結果でした。
ただ、海外ノンアルはどれを飲んでも、そもそも日本のノンアルより満足度はかなり高めです。
普段ビールは飲んでも一杯という方なら、海外ノンアルを飲んでさらにアルコール入りのビールを飲もうとは思わないかなと。
ちなみに、海外ノンアルビールは「試し飲みセット」として各国ノンアルビールを集めたバラエティパックが売られていたりします。
どんな味かわからないビールを箱買いする必要もないので、海外ノンアルが気になっている人にはかなりオススメ。
海外ノンアルはスーパーや酒屋など、街中で見かけることは滅多にないので、実はギフトにもオススメです。ぜひ参考にしてみてください。
ではまた。