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ノンアル日本酒の月桂冠と零の雫を飲み比べした結果

レビュー
投稿日:2023/10/28

ノンアル飲料といえばノンアルビールにノンアル酎ハイ。

ノンアル日本酒の月桂冠と零の雫を飲み比べした結果

といったイメージが強いのですが、なにもノンアルの種類はこの2つだけではありません。

決して目立った存在ではないのですが、実はありますノンアル日本酒!

おーっ

意外なことに知名度は低かったりもするのですが、時代はもう日本酒でさえノンアルコールで味わえる域に到達しています。

なにもかもがノンアルコールに変わっていく時代に彗星の如く現れていたノンアル日本酒。

はたして気になる味はどうなのか?

美味しいの?あるいはまずいの?

ゴクリ・・・

ということで、ノンアル日本酒界を代表する二大看板である「月桂冠」と「零の雫」を調達しました!ノンアル日本酒といえばの二瓶を差し置いては語れないです。

では、早速レビューしたいと思います。

ノンアル月桂冠スペシャルフリーは大吟醸をイメージした味わい!

日本酒が好きならば誰もが一度は耳にするであろう月桂冠。

創業1637年という、とんでもなく長い歴史を持つ京都の老舗酒造「月桂冠」から、満を持して発売されたのがノンアル日本酒「月桂冠スペシャルフリー」です。

目指したのは日本酒の中でも高い人気を誇る大吟醸の味わいで、大吟醸が魅せる独特なフルーティな香りと旨味が味わえるノンアル日本酒になっています。

へーっ

まず気になるのが日本酒の再現度です。

瓶を開けた時にふわっと鼻を撫でる香りは、完全に日本酒のそれです。

日本酒らしい甘みのある香りは、大吟醸を手に取った時にひろがる深く優しい香りで、完全なる日本酒の姿がそこにあるかのよう。

香りだけならノンアルコールだと分からないレベルに達しています!

キュン

飲む前からもう期待は高まるわけで、「さすが月桂冠!」と唸るほど。

では、大事な味はどうなのか?

香り良しとはいえ、日本酒で大事なのはやっぱり味ですもんね。

正直なところ、大吟醸かと聞かれると「んー……」と言葉を濁すというか、言葉に詰まるというか……。

控えめに言って大吟醸とは違うかな、というのが嘘偽りのない感想です。

ガーン!

どちらかと言えば、甘酒にかなり近いテイストです。

冷酒で甘酒を味わっていると思えば、なるほどと思えてくる味わいで、「大吟醸のあの味をノンアルコールで味わえるんだ!」と期待して口をつけると、やや期待外れ感はいなめません。

飲み心地としては口のなかにふんわり日本酒らしい甘みが広がり、非常に飲みやすくなってはいます。

ただ、かなり甘口ではあるので、やや粘っこい甘さがぐびぐび飲むにはちょっと辛いかなという印象。日本酒はぐびぐび飲むものでもないですが……。

フフッ

個人的には日本酒は辛口が好みなこともあってなのか、甘さにフォーカスしている部分がやや苦手でもあり、日本酒とはちょっと違うかなという印象が拭えませんでした。

香りが非常にしっかりと日本酒感を出しているので、どうしても味とのギャップを感じてしまうんですよね。

香りだけが時代のかなり先を走っているかのようで、味わいも十分に香りに応えて欲しい気持ちふつふつです。

ちなみに、原材料は香料に甘味料、柚子抽出物となっており、米や米麹は使われていません。なので日本酒に味を限りなく似せようとしているノンアル、といった立ち位置にもとれてみたり。

米や米麹を主力にノンアル日本酒を作ると、コレちょっと違うなといった味わいになるのかもしれません。なんたって月桂冠ですから。日本酒は米ということは百も承知なはずですから。

世界初を銘打った純米酒テイストの零の雫

創業1625年と非常に長い歴史を持つ金沢の老舗酒造「福光屋」が技術を結集させて発表したのが、零の雫というノンアル日本酒。

純米酒テイストのノンアル飲料としては世界初を自称し、添加物を不使用、アルコール度数はもちろん0.00 %。

そして、米本来の旨味を引き出すべく、米から作られた紛うことなきノンアル日本酒です。

これぞ本気のノンアル日本酒!

ということで期待は非常に高まるのですが……

米・米麹から作られたノンアル日本酒「零の雫」はちょっとしたクセ者だったりします

ゴクリ・・・

まず香りですが、瓶を開けるとふわっと現れるのが非常に変わった香りです。

おそらく誰もが「ん? これは……?」と首を傾げるところからスタートするのが零の雫ではないだろうか。

いわゆるザ・日本酒の香りを想定していると、かなり面食らうことになります。

月桂冠スペシャルフリーの香りが、日本酒の再現度が非常に高いこともあって、それと比べたが最後、零の雫は日本酒の香りとはかなり異なるものがあります。

シクシク...

言ってしまえば日本酒を感じさせる香りとは無縁であり、くれぐれも期待はすべからず。こやつは変わり種です。

零の雫は誰もが嗅いだことのある酸っぱくて鼻をやんわり付く香りを持っているのですが、これがもう「お酢」の香りにそっくりです。

もっと言うと、さつまいもとお酢を混ぜ合わせて薄めたような香り。

さらに味わいもまた「お酢」なんですよね。

色味もお酢のような黄金色で、一度でもお酢かもしれないと思ってしまうや、もう日本酒ではなくお酢を飲んでるようにしか感じないという……。

ゴクリ・・・

とはいえ、日本酒の世界も広いわけです。なかには変わり種と呼ばれる風変わりな味わいをもつ日本酒だって多いですよね。クセのある酒ほど美味しいではないか、という酒好きだって多いです。

ですが、そんなクセを考慮しても、「こんな日本酒ある!」とはならず、個人的にはかなり苦手な部類に入ります。

原材料は米と米麹で保存料や香料を使わない無添加ということで、健康面の配慮はバッチリなのですが、しかし日本酒なのかと問われると「んー……」ではあります。

米から作る無添加のノンアル日本酒にこだわり、突き詰めた結果としてお酢が誕生するのかなとも。

老舗の酒造をもってしもて、日本酒のノンアルは作るのが難しいのかと、違う意味で唸らされる一杯です。

日本酒ノンアルはまたまだ発展途上!

日本酒ノンアル界を背負って立つ「月桂冠スペシャルフリー」と「零の雫」を飲み比べて思ったことは、まだまだ日本酒ノンアルは発展途上にあるということ。

うんうん

まさにノンアルビールが世に登場して間もない頃を思い出すようです。こんなのビールじゃないと言われたあの苦渋の日々……。

そもそも日本酒ノンアルは種類も少なく、市場に出回っているのは「月桂冠スペシャルフリー」と「零の雫」くらいしかないんですよね。

オンアルコールの日本酒には遠く及ばす、アルコール度数の高い日本酒はアルコールあってこその味わいなのかもともしみじみ。

ノンアル日本酒の夜明けは遠く、まだまだ黎明期という感じなのかもしれません。

ちなみに、「月桂冠スペシャルフリー」と「零の雫」どちらがおすすめかと聞かれれば、まず間違いなく「月桂冠スペシャルフリー」です。

クーッ!!

日本酒の風味はあるので、長らく日本酒から遠ざかっていた人なんかは、「どこか懐かしい酒の味わい」を感じることはできるかなと思います。

気になった方はぜひチャレンジして、よければ感想などお聞かせ頂けると嬉しいです。いろんな人の意見を聞いてみたいです。

ではまた。

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