ノンアルはお酒の代わりになるのか
体調に気を配って休肝日を作ってみたり
車の運転が控えているなど飲めない事情があったり、妊娠・出産などからお酒が飲めなかったり。
不意に訪れるお酒を手放す機会なのですが、お酒が好きであればあるほど、すぐに「よし。今日から炭酸水しか飲まない」とはならないわけで、気になってくるのがノンアルの存在だったりします。
最近はノンアル飲料のレベルが格段に上がり、お酒かと錯覚するくらいに美味しくなっているらしい……
けれど、はたしてノンアルはお酒の代わりになり得るのか?
その実態を確かめるべく、お酒をやめてノンアルを常飲すること早一年……。
わかったのは、ノンアルがお酒の代わりになると思う部分と、代替え品には到底なりえないなと思う部分がキッパリあること。
ということで、お酒の代わりとしてのノンアルに関してご紹介できればと思います。
ノンアルビールとノンアル酎ハイはどちらもレベルが高い!
お酒は酔うために飲んでいるのではない。味わうために飲んでいるのだ。酔わないこそ正義であり、むしろ酔いたくない。
という人には、ノンアル飲料は十分に代わりになります。
冷蔵庫に買い置きしたビールに別れを告げて、さっそくノンアルを箱買いするのがオススメです。
というのも、今のノンアル飲料はノンアルビールやノンアル酎ハイをはじめ、そのレベルは格段にレベルアップしているからです。
ひと昔前とはまるっきり味わいが違うんですよね。劇的ビフォーアフターを果たしています。
ノンアルビールといえば「こんなのビールじゃない!どちらかと言えばレモン水!悪く言えばビールを水で薄めた謎の飲み物」という印象を持っているひともチラホラいたのですが、ノンアルビールを常飲する私はあえてこう言いたい
「ちょっと待ってくださいよ。その汚名、返上させていただきますよ」と。
10年前と今が大きく異なるように、ノンアルだってその味わいは日毎に変化しているのだと。
例えばノンアルビール界最強の称号を私が勝手に授与したアサヒドライゼロは、その喉越し、その味わい、その見た目、その全てにおいて、日本人が大好きな金麦にそっくりです。
まるで金麦を模して開発されたのかと感動を覚えるほどに、ビールな味わいになっています。ノンアルのクオリティもここまで上がってきたかと唸らざるを得ない。
ちなみに、金麦はサントリーの発泡酒なので、アサヒから発売されたドライゼロが目指す場所はきっと金麦ではないはずですが……。
ノンアル酎ハイなら、キリンの「氷零」シリーズはたまらなく美味しく、「まさにコレを待っていた!」という味わい。
スッキリとした味わいは、ジュースとも違い、また缶酎ハイとも少し異なるのですが、そこが新しい飲み物の到来を感じさせ、お酒でもジュースでもない第三の選択肢と呼ぶにふさわしい味わいを演出しています。
いやいや、激似を求めているのだよ私は。
という人には、酎ハイ界隈において激似というなら右に出る者はなしと言わしめる、サントリー「のんある気分」シリーズは最高に寄せてきた味わいが楽しめます。缶を「プシュッ」と開けた時点からもはや酔わない酎ハイという粋を感じさせられる一杯です。
オススメしたい美味しいノンアル飲料はたくさんあるのですが、ただアサヒのスタイルバランスのハイボールテイストだけは擁護できず。
ハイボールを名乗るには程遠い味わいです。まだまだノンアルは発展途上な部分も多いと言わざるを得ないです。
酔いを求めるなら、ノンアルはお酒の代わりにならない!
「お酒は味わいじゃない。大事なのは酔いでしょう。身体の力が抜けて解放されるあの感じ。火照った体に、おしゃべり饒舌になる口元、お酒と共に気分が良くなるのがいいのではないか!」
といった具合に、お酒を片手にとにかく酔いたい、飲んで騒いでのどんちゃん騒ぎが大好き!酔いがなければ今宵は始まらぬ!
というアルコールを欲している人には、もちろんノンアルに代わりは務まりません。当たり前ですが、ノンアル飲料はいくら飲んでも酔いませんから。
むしろ大量に飲むとアルコールが血の巡りをよくしてくれない分、キンキンに冷えたノンアル飲料によって体がみるみる冷やされていく始末。むしろ寒いです。
ノンアルの次は、もう熱いお茶と和菓子でいいかなという気分も湧いてきたりです。こんなセリフを飲み会の席で言おうものなら、周囲が腰を抜かすことは想像に難くなくです。
なので、ノンアル片手にお酒の力を使ったパーティーが開催できるかと言えば、イエスではないのかなとは思います。
「今日はちょっと酔ってるからね」とか「酔ってるから無礼講だよ」とか、酔った勢いに任せて行動してみよう、といったお酒だから為せる必殺技も使えず。
もちろん普段の堅苦しい自分とは異なり、お酒が入って少しチャーミーに可愛くなった自分をさらけだしてみる……なんてギャップを駆使したコミュニケーションも披露することはできません。
常にシラフですからね。調子に乗ったことを口走れば、秘密の自分をそのままさらけ出してしまう始末です。
「ノンアルも意外と美味しいから飲んでみなよ」と周囲にオススメしてみて、「んーダメだったわ。なんか物足りない。かなり美味しくはなったけど、お酒には遠いかな」という感想をもらうことがあれば、その人はお酒に酔いを求めている人かなと思います。
または、お酒のなかでもワインが無類に好き、日本酒が大好き、焼酎やウィスキーが好きなど、いわゆる強いお酒が好きな方には、ノンアルはちょっと代わりにはなりづらいです。
ノンアルワインやノンアル日本酒も存在してはいるのですが、正直なところ味わいはまだまだ発展途上の開発途上です。
ノンアルビールやノンアル酎ハイのクオリティを考えると、及第点にも遠いかなという印象。
海外のノンアル白ワインなんかは美味しかったりもするのですが、やはりワイン好きを「美味い!」と唸らせるにはまだ遠くはあります。
ノンアルとオンアルどっちを飲む?
ノンアルのレベルが高くなってきているので、個人的には「お酒は飲まぬ!というか飲めない事情がある」という人でなければ、シーンに合わせた飲み分けでもよいのかなと思います。
それこそ、週に2日の休肝日は毎日の金麦をアサヒドライゼロに切り替えてみるのもあり。
ノンアル酎ハイはかなりクオリティが高いので、酎ハイはノンアルに変えて普段飲み過ぎなお酒の量を少しでも減らしてみるのも一つです。
今日はたくさん飲んだから、もうアルコールは厳しい。明日に響く。でも飲みたい。というワガママを通したい時こそノンアルの出番だとも思います。
もちろん、仕事で疲れた日だったり、心の底からリラックスするためにお酒が必要とあらば、お酒を飲んで体を休めるひと時も大事です。存分に味わおうではありませんか。
つまりシーンや気分、体調に合わせてノンとオンをうまく切り分けることが大事なのかなと。
アルコールを飲めないから仕方なくノンアルというのではなくて、味のレベルが上がってきている分、美味しいからノンアルを飲んでいる。という感じですね。
コーラを飲む日もあれば、ビールを飲む日もあり、そしてノンアルを飲む日もありといった具合に。
飲み物はいつでも決まってお酒ではなくて、シーンによって飲み分けることで、普段飲むお酒もより美味しく味わい深くもなります。
お酒は気を抜くと、「味わいよりもアルコール求む!」にもなりがちですからね。くれぐれも飲み過ぎには御用心を。
ではまた。