ノンアルなのに対象年齢が20歳以上の表記がある理由
アルコールなしだから酔わない。
けれど、まるでお酒を飲んでいるかのよう。そんな味わいが楽しめるノンアル飲料なのですが、よく耳にするのが「アルコールが入っていないなら、それジュースじゃないの?」という疑問です。
ノンアルとジュース。たしかにどちらもアルコール0%ですよね。
けれど、ノンアルの缶をよーく確認すると「20歳以上の方の飲用を想定して開発しました」という文字が記載されていることに気付いている人も多いはず。
20歳以下は飲んではダメとも、イイとも断言していない、ちょっと曖昧なこの注意書き。とはいえ、「20歳以下は飲んじゃダメなのか」と思わすパワーを持っているのがこの注意書きです。
結局のところ、「20歳以下はノンアルを飲んではダメなの?」気になる真相を調べたところ、衝撃の事実が・・・!?
法律上は問題がない
ノンアルビールにノンアル酎ハイ、ノンアル日本酒と、お酒の種類とほぼ同じくらい種類豊富なノンアル飲料。商品のラベルに『ノンアル』と書かれてはいるけれど、もし未成年がジュース感覚で飲んでいる場面に遭遇すれば「んんッ!?」と眉をひそめたくなるのがノンアルです。
そんなノンアルなのですが、実は法律上では20歳未満が飲用しても問題ないとされています。
なんと未成年のノンアルって、法的にはOKなんです。
なぜなら、ノンアル飲料は分類上では清涼飲料にあたるから。そりゃあ、アルコール0.00%ですから。アサヒなどのビールメーカー公式サイトのQ&Aにもいちおう記載されていたりします。
なので、「アルコール0.00%のノンアルって、ジュースでしょ?」と聞かれたら、分類上では「そうだね。ジュースだわ」になるんですよね。
ただ、ここで注意したいのが、法律は許してもメーカー各社そろってオススメは一切していません。ビールメーカー各社そろって、「20歳未満の方が飲むことは一切オススメはしていない」と主張しています。
ついでに、厚生労働省としても、清涼飲料水とノンアルは違うという見解。外観、味、香りなどが酒類に似ていれば、それはもう清涼飲料水ではなく、ノンアルコール飲料としています。
ノンアルは「酔わずにお酒の気分が味わえる」といった飲み物なので、お酒を飲むことができる20歳以上の方が飲むことを想定して作られています。
ジュースとノンアルの味を比べてみれば、その差は歴然で、ノンアルの飲み応えは、まぎれもなくお酒のそれです。
レモン酎ハイ風のノンアルを飲んで、「うーん、これはレモン炭酸水!」と叫ぶ人は、きっと少ないはず。
酎ハイならまだしも、ノンアルビールともなればどうでしょうか?
その味わいはビールに激似ですから、お子様向けの味わいでもないです。
なかにはビールから遠いノンアルもありますが、ジュースと思って飲んでみれば、きっと飛び出る「なんだこれは、マズい」のひと言です。
味に関して「ノンアルはジュースなのか?」と聞かれたら、そこはYESとは答え辛いものがあります。子供が飲むなら、見た目だけビールにそっくり似せたジュース「子供ビール」がよろしい感じなのです。
ノンアルを買うときに気付く人も多いはずですが、お店によってはジュースコーナーというよりは、お酒コーナーのすぐ近くに陳列されていることも多いですよね。
法律上は問題ない。けれどオススメはしていないんです。
じゃあ、気になってくるのが「どうして20歳未満の方にオススメしないの?」という部分ですよね。
お酒を飲むきっかけになる可能性がある
法律上は許されても、ノンアルを20歳未満にオススメしないその理由。
それは、ビールや酎ハイなど、本物のアルコール飲料が飲みたくなる可能性があるからです。
あまりに本物に似ているゆえに、本物の味を確かめたくなる。ノンアルなんて簡単に飲めるし、お酒も楽勝でしょ。といった感じで、未成年のうちからお酒に手を伸ばしてしまう可能性があるからです。
日本では20歳未満の飲酒は法律で禁止されており、アルコールは成長期の身体に悪影響を及ぼすとされています。
さらに、未成年の飲酒は、アルコール依存症にもなりやすいとも言われています。
多くの人が、「お酒→ノンアル」と進むところ、「ノンアル→お酒」と進むわけです。
もし日頃からジュースのようにノンアルをがぶ飲みしていて、味がまったく同じお酒に変わるとどうなるのか?
「お酒なんてノンアルと同じでしょ」と調子に乗ってがぶ飲みすると、お酒の加減が分からずに酔い潰れて倒れます。人によってはお酒がまったく飲めない体質かもしれないので、これって非常にキケン。
もっと言うと、ノンアル飲料にハマった状態でお酒に切り替えた結果、お酒が辞められなくなる。その結果アルコール依存症へ。なんてことも最悪のケースで考えられるわけです。
同じような理由で、ノンアル飲料はアルコール依存症の人に対してもオススメはされていません。
ノンアルをきっかけにお酒への耐えがたい思いが蘇る可能性がある。ということで、アルコール依存症の方は医者と相談のうえ、ノンアルを飲むかどうか判断することが推奨されているんですよね。
ノンアルはあくまで、お酒が飲める年齢になってから。
あくまで20歳を超えてからの飲み物、それがノンアルです。
お酒を飲みたいけれど、飲めない時だったり、お酒を控えて休肝日。はたまたお酒ではなく、ノンアルとして味わいたい20歳以上の方が楽しく飲みましょう。というわけなのです。
ではまた。