ノンアル本当に0%?実はアルコール少し含まれている?
ノンアル飲んで酔った。ノンアルでも飲酒運転で捕まる可能性があるらしい。
なんて話を聞いたことがある人、実は多いのではなかろうか。
ノンアルといえば、ノン・アルコールなので、「アルコール がない」はず。にも関わらず、なぜか「ノンアルって、実はお酒入ってるんじゃない?」と疑いたくなるのが、ノンアル初心者あるあるです。
かく言う私も、お店での初ノンアルデビュー戦の時は相当に疑っていて、「車で来たんです。ノンアルなら飲んで大丈夫ですよね?捕まりませんよね?本当ですか?」と食い気味に店員さんに迫ったことがあります。店員さんは目を点にしていました。
「アルコール 0.00%だから大丈夫なんですけど、心配だったら止めておいてください」とポカン顔の店員さん。「で、ですよね」と愛想笑いでノンアルを飲む私。「けっきょく頼むんかい!」とツッコミたそうな店員さんです。
なぜだか無性に疑いたくなる「実はアルコールちょっと含まれている説」本当のところどうなのか?
白黒ハッキリさせるべく、調査してみました。
アルコール1%未満なら、清涼飲料水
お酒とノンアルの境界線はどこに存在しているのか?
これは実はハッキリとしています。そう、酒税法によって定められています。「アルコール分1%以上で、お酒」そして「アルコール分1%未満で、清涼飲料水」です。
つまり、アルコール1%未満の飲み物であれば、カテゴリー的にはノンアル飲料を名乗ることができるわけです。
ここで「おやおや?」と気になるのが、「1%未満」という数字ですよね。
「じゃあアルコール0.5%でも、ノンアルになるってこと? 0.9%でもノンアル? それって、もはやアルコール入りでしょ!」という鋭いツッコミを入れたくもなります。ノンアルと名乗っておきながら、アルコールが0.5%も入っていれば、飲み続けることでお酒に弱い人なら酔いますから。
そこのところどうなのかと言うと、実はノンアルが日本に登場した頃は、ちょっとアルコールが入っているものが存在していました。ノンアルなのに、ほんのちょっとオンアルコールでした。
なので、大量にノンアルを飲んで「なんだか酔った気分になってきた。ノンアルすげぇ」と言いながら、本当に酔ってしまった人もいたわけで、飲酒運転的にもアウトなレベルになってしまうノンアル愛好家もいたようです。
もちろんお酒に弱い人や妊婦が飲むには注意が必要でした。もはや「それってもう、ノンアルじゃなくない?」という状態です。
きっと、お酒に似せることを意識して、ギリギリを攻めたんだと思います。結果、ちょっと攻めすぎちゃいました。
そして、攻めすぎたツケなのか、今でも「ノンアルって実はアルコール入ってるよね?」「ノンアルでも少しアルコール入ってる可能性がある!」と声をあげる人がチラホラ。
「法律的にOKでも、酔ったら意味がないよ!」というみんなの叫びを聞いて、もちろん黙っていないのが世界が誇る日本の飲料メーカー各社です。
改善力という本気、みごとに発揮されます。
そう、0.00%ノンアルの出現です。
0.00%のノンアル登場!ノンアルといえばアルコール分0.05%以下
法律的にはアルコール1%未満であれば、分類としては清涼飲料水。
それはもう遥か昔の話です。時代は常に変化しています。いまは、0.00%です。
ノンアルといえば、ラベルに書かれた「アルコール0.00%」ですよね。
「アルコール0%」と表記すれば、「アルコールちょっと入っている可能性あるよね」と疑いの眼差しが向けられる(過去に入っていたこともあるし)ので、「アルコール0.00%」と、ゼロを三つも並べて、アルコールゼロを強調しています。
そうなのです。アルコール 0.00%と記載があるノンアルなら、安心して酔わないノンアルライフが楽しめるようになっています。心配など無用です。
お酒で有名な日本が誇る大企業『キリン、アサヒ、サントリー、サッポロ』各社そろって、アルコール0.00%のノンアルについて、こう述べています。
「アルコール0.00%を実現しているので、運転への影響もなく、妊娠・授乳期間も飲めます。アルコール摂取したことにはなりません」
安心してお飲みくださいと、そう堂々と公式サイトにも記載されています。もう実はアルコールちょい入っているよー、なんて小細工なしで、技術力でお酒に近い味を実現しています。
さらに、キリンでは警察庁科学警察研究所の論文をもとに、運転シミュレーターでの実験結果から、運転能力に影響がないことも確認済み。
一方のサントリーでは、ノンアル『からだを想うオールフリー』1日に3本を4週間摂取した試験で安全性を確認しています。1日3本のノンアルなんて、完全に飲み過ぎレベルです。しかも、ノンアルビールは発酵工程のない製造方法だから、アルコール発生がないとも宣言しています。
追い討ちをかけろとばかりに、ノンアル缶のラベルを見てみてください。
そこに書かれているのは「炭酸飲料」との記載。
「こりゃあ、酔わないや。もう時代は変わった。0.00%の夜明けが来ているぜよ」
と感じてノンアルのプルを「プュッ」と開けてグビグビ飲んだ人が、きっと大半だとは思うのですが、ちょっと最後に待ってしばし。
ただ、覚えておきたい事がここで一つ。
アルコール0.00%と表記されているノンアルは、限りなくアルコール0に近いのですが、一般的にはノンアルはアルコール0.05%以下となっています。
なので、「ラベルのアルコール表記が0.0%なら」、もしかすると0.05%以下の範囲でアルコールが含まれている可能性はあります。
「おい、やりやがったなや。まただぞ」そう思うところ、きっとあるとは思います。
しかし、そもそも糖分を含む飲み物は、自然発酵によって、人体に影響を与えないレベルの微量なアルコールが含まれています。0.05%といえば、ごく限りなく微量。
とはいえ、「いやいや、待てと。0.05%アルコールありますやん」というツッコミたくなるその気持ちも分かります。
ほんの微量でも気になるなら、やっぱり限りないゼロを目指した0.00%ノンアルを選ぶ、これ一択にはなります。0.0%ではなく、0.00%とゼロが三つのノンアルを探してください。
ちなみに、アルコール0.9%ならお酒には該当しないのですが、最近は0.9%などアルコールが1%に近い飲み物は、「低アルコール飲料」「ローアルコールビール」といった名称で呼ばれることもしばしば。ラベルには「運転する時は控えてください」と明記されていることも多いです。
とはいえ、0.9%アルコールで、ビールテイスト飲料とノンアルぽく書かれていることもありますが。
いずれにしたって、ノンアル、オンアルともに飲み過ぎると身体には良くないので、なにごとも適量で、日頃の飲み過ぎにはご注意を。
ではまた。
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参考したサイト
e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-060.html